− 第 2 回 −

◇東予地区(今 治)
開  催  日 平成20年1月23日(水)午後2時〜4時
場       所 今治商工会館 3F 研修室
参  加  数 53名
テ  ー  マ 「両立支援への取り組みと現状」
講       師 株式会社長岡塗装店 常務取締役 古志野 純子 氏
会社紹介 (島根県:建築物内外新築塗装業) 従業員22名 (正社員)
・企業が支える子育てサポートへの高い評価と多様な育児支援制度により、「平成18年度ファミリー・フレンドリー企業表彰労働局長賞」受賞され、さまざまな両立支援の取り組みが行われています。
・次世代育成支援対策に取り組んでいる企業として都道府県労働局長(島根労働局長)の認定「くるみん」も受けられ、「働きがいがあり、働きやすい企業」として高く評価されています。

熱心に質問される今治・木元女性部会長 真剣に聴講される東予地区の方々
△熱心に質問される今治・木元女性部会長 △真剣に聴講される東予地区の方々

講座内容 1. 企業スタンスは「会社の一番の財産は社員」であるが、10年前は若年者が定着せず、業種的にひととおりの仕事ができるようになるのに3年、受験資格を得るのに7年かかるのに、技能士の資格を取得するまでに退職していくため、人材確保・定着が深刻な課題であった。
2. そのことから社員の両立支援の必要性を痛感し本格的な両立支援の導入に至った。
3. 高齢者継続雇用制度を導入→ ベテラン職人の確保
若年者トライアル雇用の採用、個々のニーズに沿った両立支援等→若年従業員の定着、育成
4.  全ての社員の仕事と生活の充実を支援するため、育児・介護支援を導入するが、社員のおかれた条件に沿った柔軟な働き方が出来るようにし、また制度を作っても実際に仕事を助け合うのは社員同士のため、育児・介護のみに特化しない制度とした。
5. 職場の変化に結びつき効果を上げた取り組み
☆子の看護休暇
(高校を卒業するまでの子1人につき年5日有休・30分単位で取得可)
☆本人・妻の出産祝い金 10万円支給
☆保育料の3分の1を補助
☆育児のための始業・終業の繰り上げ、繰り下げ
☆1時間までの育児短時間勤務制度(30分単位)
☆家族の介護サービス利用費用の3分の1を助成
☆家族の介護のための始業・終業の繰り上げ、繰り下げ
☆子育て中・妊婦のための休憩室整備とマッサージチェア・空気清浄機などの備品の購入
6.  職場の変化に結びつき効果を上げた取り組みU
☆事務職員11人、各人1台パソコンを配置、仕事(データ)の共有化
☆週平均労働時間を39時間に設定(H17〜 1年単位の変形労働時間制の導入により)
☆年次有給休暇の計画的取得奨励(年休取得計画表を各従業員に配布)
☆年次有給休暇を1時間単位の取得が可能(各従業員のニーズを重視する)
☆各種健康診断実施・二次健診受診の徹底
☆休日出勤・深夜残業等の疲労蓄積をチェックし、代休・振替休日を取得するよう指導
☆資格取得のための費用全額補助・男女従業員ともに各種研修セミナーへの参加奨励
☆男性の育児休暇取得の奨励(社内報作成)・子が親の働くところを見ることのできる子ども参観日の実施
7. 制度の利用状況も順調に増加しており、具体的効果として、5年間で退職者が激減し、18〜30代の従業員数は2002年の6名から現在の11名に増え、18歳未満の子を有する従業員数は0名から10名に増えた。また、資格者が増加し仕事の質が向上され、2005年度施行優良工事表彰等受賞し、両立支援の取り組みがマスコミで取り上げられたことにより、地域の知名度が向上すると同時に従業員の意識も向上した。
8. 地域の子育て支援については、子育て中の家庭を対象としたサービスを提供する「しまね子育てバスポート事業『こっころ』に協賛し、自分で塗装をやってみたい希望の方に塗装の専門家が出張講習し、材料の選択・道具の使い方・塗り方等無料で指導。
9. 従業員の仕事と家庭の両立支援に積極的に取り組んだことにより、次の表彰の受賞等により会社の社会的イメージアップが格段にはかれている。
・島根県労働局長から「平成18年度ファミリー・フレンドリー企業表彰」
・島根県知事から島根県内で第2番目に「しまね子育て応援企業『こっころカンパニー』」認定を受けた。
・次世代法の基準を満たし「くるみん」を島根県内で第一番目に認定を受けた。
10. 各マスコミにも取り上げられ、認定「くるみん」の宣伝効果は抜群に大きかった。
11. 会社の一番の財産は社員であり、安心して働ける職場環境を整えることは経営者の責任である。仕事と生活の両立をはかれることにより、社員の仕事への意欲につながり、結果的に大切なお客様へ良い仕事を提供でき、良い方向への循環が会社の組織を強くし業績の向上につながった。


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